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平成の寅さん 見た 聞いた 書いた

事務局紹介③

★☆ 山村の多様な仕事を
     やがて帰る人々と共に ☆★

 六歳年下の和彦さんの話が面白くて、私は、今もっとも気がかりな、中津江村のことについて尋ねてみることにした。三月に六ヵ町村で日田市と合併した中津江村。久しぶりに村のねぐらに帰り、お世話になっている人々と話をしたが「人口がどんどん減っている」「子どもも出ていくやろう」などの話と共に、「林業はあと三年でなくなる」と言う話も。「外の人を受け入れる体力がない」「プロの仕事は危険と隣り合わせ。素人には任せられんとよ」私は何も言うことができなかった。
 「僕らが国際中期ワークキャンプをする時にも、地元の林研グループに同じことを言われましたよ。結局ぼくらがやれることは、下刈りくらいだった。でも次の年も、快く受け入れてもらえた。確かに労働力にはならなかったかもしれないけど、僕らは仕事以外でもたくさんの時間を村の人々と過ごし、酒も飲んだ。みなさん自分の仕事について話してくれて、技術を教えてくれた。ひとつの伝承の場ができたし、そこでの心の交流から生まれたものがあるんじゃないかと思ってる。林業がなくなるというのは、仕事がなくなるという意味ではなく、やる気がなくなるということ。なぜやる気がなくなるのかを考え、その絶望がせめて愚痴くらいになるようにすることは、僕らでもできるんじゃないかなぁ?」
 話が山や林業の話になり、和彦さんは「団塊の世代が、国産のいい木材で家を建てることのできる最後の世代じゃないですかねぇ。」と言った。「地域経済を復興させることができる最後の世代」とも。
「農村はやがて、都市から農山村に戻る定年組を受け入れることになる。そのためには、住む場所がいる。家を建てる人もいるかもしれない。僕らが今、山村にいる先輩達とともに、山を守るということや、家造りの理念をしっかり伝えれば、地元の山で家を建てて住もう、とか、受け入れ先の集合住宅を環境にも人にもやさしい地元材で建てようという動きがおこせるかもしれない。そしたら間伐すらされずに放置されているただの木が「家」になる。団塊の世代が持っている七〇兆円もの退職金をどう使うのか、使い方の筋道を提案するのも、僕らの役目かもしれないですね」
 お金という価値で動くのではない団塊ジュニアが、山村でのコーディネーターとなって、都市に暮らす団塊の世代の人々を受け入れられないかと和彦さんは言う。
 「お金になるならないに関わらず、集落にはたくさんの仕事がある。それは、人と暮らしと自然がしっかりと結びついた統合された仕事です。今、僕らの世代と今集落にいる人々とで、子どもたちの居場所、そしてやがて帰る人々の居場所をしっかり作っています。先輩方が都市で培ってきた力を僕らの力と合わせて、山の力に、里の力にしていきましょう」

 
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